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美容師をやめたいと思ったら 新卒、中途採用の方へ

こんにちは。

美容歴16年、現在美容師兼、経営者の竹田岬です。

だれでも一度は美容師やめたいなと感じた事あると思います。

特に美容業界は5年以内の離職率が80%以上と言われている業界であり、私もアシスタントの下積み時代等に美容師をやめたいなと、感じた事があります。

今回は「美容師やめたいな」と悩んでる方の力に少しでも、なれればと思い対処法を書きました。


美容師をやめたい理由は人それぞれだと思いますが、いくつかにわけられます。


①やりがい(仕事がつまらない)

②下積み時代のつらさ

③待遇

④人間関係

⑤スキル不足

⑥手荒れ、腰痛、体調不良

どうでしょうか?

当てはまるモノはありましたか?

私のアシスタント時代は1個だけでなく4個も当てはまってました。

ひとつひとつ解説していきます。


①やりがい(仕事がつまらない)

現在美容業界に関わらず仕事に満足感を感じている方の割合は15%といわれています。

1980年代から比べると約半分になっています。

それだけ仕事に満足感を感じている方は少ないという事ですね。

仕事がつまらないと感じるのは、自らの願望と実際の業務にズレがあり、モチベーションが下がってしまう事で生じる感情です。

仕事がつまらない時、どのように対処するべきか、どのように向き合うべきか考えていきます。

まず仕事が「つまらない」と「辛い」は似ていますが異なります。

「辛い」は時間的な制約や作業量等の物理的、身体的な苦痛による精神的負担が大きい事です。

「つまらない」と感じる一般的な理由としては「評価されない」 「仕事に意味を見出せない」といった理由があります。

これらを解決する為、仕事を面白くする為には漫然と仕事を行なっていたのでは解決しません。

人が仕事を面白いと感じる為に必要な事は「挑戦」と「競争」が必要だと言われています。

「辛くつまらない作業や仕事に耐える事」は仕事ではなく、「工夫し挑戦して、仕事の質を高めて自らの力をつけていく」のが仕事です。

チャレンジする仕事や仕事の幅を新たに広げて取り組む事で、その見返りに自らの能力の向上や未知の自分に出会えるといった事が起こり、気づいたら仕事が楽しくなっていたという事もあります。

親や周りの方の言いなりでなく、自分で選んだ美容師という仕事。

つまらないと感じる原因は何か、どうしたら楽しくなるか、仕事上の楽しい瞬間はいつか、自分自身と向き合い、楽しさを与えられるのを待つ”受け身”の姿勢から抜け出し、自ら楽しみを探し発信する姿勢を持とうと意識してみて下さい。




②下積み時代のつらさ

技術職においてある程度の期間の下積みは必ず存在します。

美容師としては、主にアシスタント時代がここにあたります。

掃除やスタイリストのヘルプ、チラシ配り、モデルハント等様々な仕事があります。

なんの為にやっているのか分からない事や我慢する事はあるけれど、その中で自分が楽しんで修行に取り組める理由を見つけて我慢を越える楽しさにつなげる事が大切だと思います。

「目標に向かって頑張っている事」が「仕事における下積み」です。

なので目標がなければ下積みではなく、逆になりたい自分や目標が明確な程、下積みはつらくなくなります。

仕事は「やらされている仕事」と「自らやっている仕事」が、あります。

やらされている仕事は楽しくないものです。

下積み時代は自らの経験値をあげる自分への投資と捉え、自分のなりたい姿や目標を明確に決める事から始めると良いと思います。

なんの為にやってるかわからない仕事も今のあなたの目線でわからないだけで、スタイリストになったり、店長、経営者になった目線なら、仕事の意味がわかる事もたくさんあります。

つまり会社や先輩と考え方が違う、間違っていると感じても、あなたがまだその立場にたっていないから理解できない事もあるという事です。

それでも、どうしても辛かったり、つまらなかったら「いつでも辞められる」という心の逃げ道も時には必要かもしれません。



③待遇

現在の美容業界は週休2日制、社会保険完備の美容室が増えてきています。

私の頃の初任給は14万だったので、お給料も以前に比べたら、全体的に増えています。
今の相場はアシスタントで16万〜18万くらいですね。

美容室全体の売り上げが以前に比べ落ちているにもかかわらず待遇は以前に比べると良くなっている傾向にあります。

待遇に関しては、入社してみたら実際は考えていた条件と違ったなんて事が多々あるので、面接時にしっかり確認した方が良いと思います。

社会保険に関しては完備している会社の方が良いと思います。

お休みに関しては個人の見解のもと、選択すればいいと思いますが、週休2日制は少し休みが多い気がします。

週休2日に加え、夏季冬季休暇、有休休暇等を加えると年間で120日前後休みがあることになるので、超一流プレイヤーで、もう安定していて、お客様が自分に合わせてくれるからいいやと言う方以外はあまりオススメしません。

誤解を恐れずに話しますと、一般的な美容師さんより、休みも少なく、休みの日も仕事の事を考えたり、仕事をしたりもする私が現在今のレベルなんです。まだまだのレベルなんです。独立して傍目からは順風満帆に見えているかもしれませんが、謙遜でもなんでもなく、まだまだ技術的にも精神的にも学ぶ事がたくさんあります。

これから美容師を目指す新卒の方、デビュー前のアシスタント、これから技術を学んで行くジュニアスタイリストの方、お休みが多いだったり、給料が高いだったりの様々な甘い誘惑が多いので気をつけなればいけません。

ただ、タイプ的に自分のプライベートの時間もしっかり確保しないとダメな方もいらっしゃるので週休2日が悪いと言っているわけではなく、あれもこれもいいとこ取りはできないので、自分のタイプと自分の目標に合わせて待遇は選んで頂きたいです。

今の職場の待遇に満足していない方も、少なくないとは思いますが、待遇の良い完璧な会社はあまりないと思います。

技術職であり、人と人の関わりが強い美容職において、待遇を最優先して職場を選ぶのは少し寂しい気がします。

待遇も大切だけど、よりその他の魅力が溢れている職場作りが私達美容室経営者、及び美容師一人一人の今後の課題と考えます。


④人間関係

美容師は技術職ということもあり体育会系なイメージがあります。

先輩に無視される、店内で派閥ができている、理不尽な人がいる、セクハラやパワハラ等いろいろですね。

倫理的におかしいお店や人がいる場合は、会社をやめるという選択もありだとは思います。

ただ、自分自身に原因があったり、自分で克服できるケースもあるので、その場合は自分自身の努力で大きく成長するチャンスでも、あります。


人間関係がうまくいっていないと本来の目的や美容師としての大切な気持ちが無くってしまいます。

たださえ、美容技術を学ぶのに大変なのにたまったものではありません。

良い美容室の条件として、しっかりとした上下関係(ピラミッド)が機能している事があります。

上下関係が機能していれば、働きづらい派閥があったとしても解消されますし、嫌な先輩がいても解決すると思います。

人間関係は放っておいてもかわらないので、上司や先輩に相談する等、関係を改善したいという明確な意思を持って行動する必要があります。

人は一人や二人、苦手な人がいるのは当然ですし、「苦手だな」と思う事は悪い事ではありません。

大切な事は「他人は変えられない、変えられるのは自分」という事です。

他人の価値観と自分の価値観を比べて、どっちが劣っている、勝っているという事でなく、相手の価値観も認めた上で行動して下さい。

自分に置き換えると、自分の事を理解してない人に何かを言われても素直に聞けなかったり、反発心が生まれてしまうと思います。

どの業界、どの職場においても一人で働かない限り、人間関係の問題はついてまわります。

良い人間関係を築く為に、相手目線で物事を考える習慣が信頼や信用に繋がります。

試行錯誤しても人間関係が修復しない場合は最終手段として環境を変える事も有りだと思います。


⑤スキル不足


皆さんは自分の事を器用と不器用どちらだと思いますか?

私は自身を不器用だと思ってます。

スタイリストデビューするまで4年半ほどかかりました。

おそらく、不器用と自分で思ってる方が多いのではないでしょうか?

安心して下さい。

私が見てきた限り、世の中の美容師さん9割は不器用だと思います。(むしろ、すぐできないのが普通)

最近は練習量が減っているなど、よく耳にしますが長時間やればいいというわけでもなく、結局は自分自身が「いつまでに○○○を、できるようになりたい」のかだと思います。

3年でスタイリストデビューするのか、5年かかってもいいのか?

「○○○ができなくて、上手くならなくて困ってます」という相談をよく受けますが、もう一度自分自身を振り返って見て下さい。

ちゃんと言われた事、やるべき事をやっていますか?

自己判断でやったつもりになっていたり、自己評価でできてると思い込んで先に進んでいた事がありませんか?

カットもパーマもカラーもブローもシャンプーも技術的に共通している部分が、多くあります。

技術でいき詰まったら、基礎に戻り、自身を振り返り、自己分析を行なって下さい。

あとはお店の先輩からの指導だけでなく、外部講習に行ったり、技術本を読んだり、インターネットで情報を収集したりする事で、より多角的に学べます。

技術習得には、かける時間×練習の質でしかないと思うので、諦めなければ必ず習得できるものです。

私のスタイリストデビュー時代は、万人受けする様に、技術的にも容姿的にも個性を強く出しすぎない様に教育を受けたこともありますが、今の時代は個性を生かしていった方が良いと思います。

自分の好きな技術だけ突き詰めても、それはそれで強力な武器になります。

成長スピードが人と比べて早い、遅いはあまり気にしなくていいかなと思います。

それよりも
”1ヶ月前、半年前、1年前の過去の自分自身と比べて成長しているか”

それこそが一番大切な事だと思います。


⑥手荒れ、腰痛、体調不良

プロとして自己管理はできて当然と言われる自分でコントロールできる事と、肌荒れや腰痛の様に避けようもない事があります。

これは、体のトラブルの重症度によりますが会社、お店、仲間のサポートがないと美容師を続けるのは難しいと思います。

手荒れが緩和されるまで、シャンプー入客を控えたり、シャンプーをイスに座りながら行ったり、周りの方の協力を仰ぐ必要があります。

薬剤ややり方を、変える事で症状が改善する可能性があるので、体質的に美容師は向いてないと決めつけないで下さい。



以上美容師を、辞めたくなる原因を大きく6つに分けて紹介しましたが、辞めたくなる理由は挙げた以外でもそこらじゅうにころがっています。

そして行動を変えずに結果が変わらないと思っている方が非常に多い気がします。

精神論で「今月は頑張ろう」や「やる気を出して臨む」では結果は変わりません。

「行動を変える事」が唯一、結果を変える手段です。

先月や昨日と違う事をたった1日5分行うだけで確実に結果は変わっていくので、行動する事と継続する事を忘れないで下さい。

美容師続ける、続けないに関わらずどの仕事においても共通する事は多いので、何かの役に立てれば幸いです。


hair & make baboo 代表 竹田 岬


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